そろそろ30歳になるので最後の20代を楽しんでおりますが、今まで草津に行ったことがなかったんですね。群馬県民なのに。
ということを言ったら、「じゃあ行こうよ」ということで、恥ずかしながら行ってきました。12月には宿の予約をしていました。
当日は特急草津・四万で長野原草津口駅まで。 3月18日のダイヤ改正でE257系2500番台が新たに導入され、「波動用の割にはさすがに乗り心地がよい」と感心しながら乗車していました。駅弁を食べているとあっという間に到着です。
ここからバスに乗り換え、登って登って草津温泉バスターミナルに到着。家を出た時同様、雨が降っていました。が、宿に荷物を置きに行くと、何と傘を貸してくれるとのこと!ありがたくお借りしました。
まずはさておき湯畑です。宿から近づいて行って、その姿が見えないのに既に濃い硫黄の匂いです。無意味に周りをぐるりと一周して、入浴をしようかということで大滝之湯に向かいます。
……凄すぎました。温泉のレベルが違います。1階にある合わせ湯が面白く、四つある浴槽の水温が1→2→3→4の順で上がっていきます。これ、3までは余裕だったんですけど、4が何と46℃なんだそうで、1分で限界でした。「いや、これ、やばいって!!!」って心の中で言いながら出ました。
それ以外は、内湯と露天風呂を行ったり来たりです。おそらく大学生・専門学校生と思われる20代の集団が大変多かったですね。思えば3年近く全く自由な旅行を制限されていたわけですし、大学4年生とかだったら入学時から何にもない灰色の学校生活だった可能性すらあります。そう考えると、多少騒がしくても「よかったね」という気持ちになってしまいました。
サウナもあったのでしっかりと入り、水風呂に突入したのですが……ヤバいです。冷たすぎました。後日、「サウナイキタイ」で水温を見たところ15℃とありましたが、絶対にウソです。だって、各地のサウナと水風呂を転戦してきた私が、15秒入ることができないくらいでしたから。
そんなこんなで1時間以上入っていたら、すっかり温泉疲れしてしまい、休憩スペースでふたりでごろごろ雑談します。こういう何気ない時間が、実は私が本当に欲しかったものなんだな、とぽつり、と思いました。
外に出ると雨がやんでいたので、湯畑から西の河原公園方面に向かいます。なんと言うか、「末法かな?」というような風景でした。温泉が上流から川になって流れているので、石が完全にやられちゃってるんですね。奥の方に、観音像?があって、その前に(賽の河原のもじりか知りませんが)石積みが無数においてあって、それがより末法感を強めていました。
帰りながら西の河原通りでごまだんごを食し、湯畑前のお土産センターでお土産物色です。満足いくまで買い物をした後、宿に戻ります。
部屋でお茶を頂いて「夕飯でも食いに行きますかね」と、良さそうな店を見つくろってまた街に繰り出します。ところが、なんとそのお目当てのお店は「今夜は予約で満席です」とのこと。完全になめていました。
あてもなくふらふらしておりましたが、ええい、と思い切って路地裏の昔ながらの居酒屋に。こういうところに抵抗のない人でよかったです。
煮物が特に美味しかったですね。写真を撮ることは憚られたので、記憶のみで書きますが、突き出しの煮物から美味で、いか焼きとか揚げ出し豆腐とか長芋とか食べてました。また、尾瀬の雪解けという日本酒を飲んだところ、「これ、リンゴジュースだね。ヤバいね」とふたりでゲラゲラ笑いながらゴクゴク飲んでいました。
ほろ酔い気分で宿屋に戻り、酔いを覚まして宿の風呂に。素晴らしいことに、貸し切りでした。洗い場は2人分しかありませんでしたが、ちゃんと源泉は湯畑の温泉です。
翌朝はお湯疲れでぐったりしていたはずなのに、何故か6時に目が覚めて7時から動き出しました。天気予報通り晴れでしたが、気温は10度未満で下界の冬並みです。
軽朝食が出る、という話を聞いてはいたのですが、出てきたものはとっても素敵で、これまたふたりで「え……すごっ……」とおおはしゃぎしました。
私は朝食を食べる習慣がなく、プロテインを飲んで終わり、調子が良かったらヨーグルトを食べたりするくらい。休みの日もたまにラーメンを食べる程度で基本的にプロテインです。
ということで、この朝食にはなかなか苦労しましたが、何とかあらかた食べることができました。
行動の前に帰りの電車を見つくろったところ、なんと特急はすべてぽつりぽつりと通路側が空いている程度。平日だから空いてるやろ、と思っていましたが、完全になめていました。
ということで、しかたがなく普通電車で帰ることに。身支度を終え、宿を後にします。
二日目の目的地のひとつは草津熱帯圏です。前々から愛読してるブログで存在は知っていたのですが、行く前に検索してみたところ、ここ2~3年のあれやこれやで収入が大きく下がってしまい、存続の危機なのだそうです。応援の意味も込めて行ってみました。
サル山を見ながら「サルの社会が人間の社会に似ているのではなく、人間社会がこのサル山の延長線上なのだ」とかようわからんことを思いながら、温室へ。
ワニやトカゲのお出迎え、そして奥のカピバラやマーラやミニブタ(ミニ?)のエサやりで同行者は大興奮です。後半のサルや鳥たちのタッチコーナーでも「もふもふ~♪」と大喜び。私は相変わらず動物が苦手なんですが、いっしょにおそるおそるタッチしてみたら、毛がふわふわでびっくりしました。
展示の説明文や動物のパーソナリティ?が結構オタク的な文体で書かれていて、「攻めてるなあ」という感想を持ちました。また、同行者も指摘していた「ここってさ、なんだか「元の飼い主さんが飼えなくなったから引き取った」みたいのが多いよね……」というのが、何ともいえない気持ちにさせられました。彼ら彼女らだって、生涯面倒を見るつもりだったのでしょうけど、やむをえぬ事情でそうはできなかったのだろうか、と想像しました。
また、先述のブログでも触れられていた通り、看板のフォントが昭和の香りムンムンで、こちらも感嘆しました。長いこと残ってほしいですね。
歩いて湯畑まで戻り、昨日の雨で入りづらかったお店を散策。
二日目の目的地のもう一つ、「ティールームゆきうさぎ」に行きました。こちらも草津に行くのを決めた時から存在は知っていたのです。
……あらゆるものが素晴らしく、パーフェクトのカフェでした。ただただ「すべてがすばらしい、すべてがすばらしい」と唱えていました。
カステラがふわっふわで生クリームも甘くなくておいしいんですけど、それ以上にスコーンがおいしかったですね。スコーンが好きなんですけど、グンマーだとなかなか入手手段が無いんですよね。せいぜいが山崎製パンの甘いやつです。
素晴らしい時間を過ごし、荷物を回収してバスターミナルへ。予定時間の30分以上前に行ったのですが、臨時便がガンガン出ていたので、それに乗るよう促され草津を後にし長野原草津口駅に。
駅も既に休憩ルームは人でいっぱいで、跨線橋と駅待合室で無駄に時間を過ごしました。もうちょっと大きい箱があるとありがたいんですけど、それはきっと高望みでしょうね。
普通電車は毎度おなじみ211系3000番台。寒冷地仕様で、両毛線で乗ってきたやつですね。ロングシートでうとうと揺られるのも旅の良さでしょうけど、1泊2日だと不完全燃焼感があって、物寂しさが募りました。
ということで、素晴らしい時間はあっという間に過ぎてしまいました。
草津温泉は素晴らしかったんですけど、やっぱりアクセスに難がありますね。とはいえ、欲しいものが何でも手に入ってしまう現代人にとっては、ある程度の障壁もまた楽しさのひとつなのだろう、と想像します。
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