「発生編」の続きです。
結論から書くと、口頭での示談が成立しました。よかったですね。
昼休みにスマートフォンを見ると、相手父親からSMSが入っています。いよいよ決戦か、と気を引き締めて、震える手で終業後に電話をします。
「示談には応じるが、条件は応じられない」ということ、保険会社・健保組合・家族に相談しており、適切な措置を取る準備はある、ということを淡々と告げると、相手は案の定応戦体勢です。
「いや、ですから、右側を走っていた自転車が歩行者に当たってる時点で、どうやってもそちらに勝ち目はないんですよ」と何度も伝えても、「当たり屋」よばわりをされ、やはり人身事故にするとか、第三者組織に判断してもらうとか、従ってそちらさんも取り調べとかあるでしょうねとか言ってきます。
前回同様、全くお話が成り立ちません。ここで、ふと思い至ります。もしかしたら、共有している、事故当時の状況が異なっているのかもしれません。
なので、念のために状況整理ということで、こう言ってみました。
「あのぅ……もしかして、息子さんからも奥さまからも、「左側車線は踏切待ちで、通勤時間帯ということもあって車が十数台並んでいた」ことは聞いていらっしゃいませんか?その状況で、右側車線は車は全く来ない。なので、右側を歩いている人間が何かに後ろからぶつかるのは、「逆走してくる車」か「右側を走る自転車」しかありえず、どちらも道交法違反だから、歩行者が考慮に入れる必要はほとんどない、と思うのですが……」
相手の父親は絶句します。「そんなの初耳だ」と。畳みかけるように私は言葉を続けます。
「で、「息子さんが衝突の衝撃で停車中の車にも衝突した後、自転車のハンドルが車の後輪とボディの間に挟まって抜けなくなって、それを私が(後ろに停まっている車のドライバーと協力して)抜きつつ、右側車線の車も止めて、自転車と息子さんを道路わきに避難させて、110番してる」ことも、もしかしてご存じないですか?」「初耳です」
「電車が踏切を通過した時刻は、時刻表と営業キロから秒単位で正確に出せますし、仮に人身事故にした場合、目撃者が多数いるわけですから、どう考えても自転車が不利だと思うんですけど……」
勝負ありでした。父親は非を認め謝った後、こちらの要望である「お互い自分の損失は自分で払う。相手に損害賠償を請求しない」という案に同意してくれました。どうやら、息子さんor警察の立会いにいた母親が、これらの話を父親に伝えていなかったようです。
ということで、今回の事件は解決です。
結局は家庭の歪みが問題
今回の事例は、相手がどう考えても加害者なのに、強硬な姿勢を崩さなかったのは、そもそも父親に入ってきた情報がすべてではなかったから、というオチでした。
まぁ、思春期真っ盛りですし、ただでさえチャリで歩行者にぶつかって警察呼ばれて学校を何日も休んでいるわけですし、さんざん両親にシメられてるなか、更に自分の非を広げるようなことは言いづらいですよね。
ただ、かといって問題がその自転車に乗っていた息子さんにだけあるわけではありません。ここから先は根拠レスの想像に過ぎませんが、普段から息子さんは「正直に父親に打ち明けられない環境」にあるのではないでしょうか。そのトリガーが何かは知りませんけれど、「どうせ怒られるのなら黙っていよう」と委縮するのは、容易に想像が尽きますよね。
つまり、本来なら家族で一致団結して情報公開して、適切な処理を取るべきなのに、息子さんも父親も母親もそれができなかった、ということです。我が家の場合はほとんど非がありませんから、すべての情報を家族に公開しましたけど……。
今頃息子くんは事故当日以上に父親にシメられてると思いますけれど、その一因が父親本人にもあることに、果たして彼は気づくんでしょうかね。人の家庭の話なので、ほんとうにどうでもいいですね。
暴言をさんざん吐かれたのに寛容すぎ?
また、事故当日も今日もそうなんですけど、相手の父親にはさんざん暴言を吐かれています。「大人になりましょうよsakurabarさん、非を認めて」「大ごとにしたくないでしょう?えぇ?」「おたくのやってることは当たり屋としか思えないんですがねえ」その他、ブログではとても書けないようなことも言われました。
ただ、真相が明らかになったことで、それらの暴言がすべて相手の父親にブーメランで帰っていくことになります。私だったら恥ずかしすぎて、穴があったら入りたい気持ちになるでしょう。自分の方が非があるのに、相手の人格批判までして、結局は自分に非があることに気づいてしまうわけですから。
本来なら、「こちらが損害賠償を請求するのは当然だし、そもそも菓子折り持って息子ともども頭を下げに来るのが筋。その上、慰謝料の請求が発生してもやむを得ない」が妥当です。ですが、私は寛容なので、それらを求めませんでした。というか、金銭の受け渡しだと面倒になるというのもありますし、何より「不誠実な相手にもう関わりたくない」ということです。無礼な相手に相対する時間と労力と精神的摩耗が惜しい、ということです。
それにしても、私が温厚な人間で相手は本当に助かったと思います。私が本当にこわ~いお兄さんとか半グレとか弁護士とかだったら、いったいどうするつもりだったんですかね?
歩行者が自転車にぶつかられた時のコツ
歩行者も自転車もとにかく安全な場所に避難する
→二次災害を防ぐために身の安全を守りましょう
すぐに110番連絡
→人生初110でしたが、異常に冷静で自分でもビビっていました。場所はスマホならすぐ分かるので、事故の状況、特に救急車がいるかいらないかを伝えるのが肝要です。ちなみに、相手から「警察は呼ばないでくれ」といわれても、「いえ、通報義務があるので……」とお断りしましょう。
事故当日、その場で絶対に示談はしない
→これだけは絶対に守ってください!今回の事例のように、ほとんど○○○みたいな具合で、不当な請求をされることがあります。今回は相手の思い違いだったからまだよかったですが、世の中には本当に頭のおかしい輩がうじゃうじゃいるので、故意に不当な要求をしてくる場合があります。
示談交渉は納得するまで絶対に応じない
→今回の事例のように、不当な要求をしてくる場合があります。示談は口約束でも成立したとみなされてしまうので、注意してください!
10対0で相手が悪いときは、こちらは保険会社に相談できない
→相手or相手の保険会社の担当者とのやり取りになるので、難しそうなら信頼できる人や第三者に相談するのをおすすめします。
任意保険に入っていたら保険会社にすぐ相談
→裏を返せば、過失割合が10対0でない場合は、こちらも相談すること・示談交渉をお願いすることはできます。せっかく保険料を払っているわけですし、遠慮なく相談しましょう。交渉の代行だけではなく、今回の私の事例のように、アドバイスをくれることがあります。正直、今回この損保ジャパンの担当者のアドバイスがなかったら、相手の要求をそのまま飲んでしまったと思います。
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