2024/1/15追記:令和5年秋で合格しました。
掲題の通り、応用情報技術者試験を受験しました。手ごたえとしては午前の見たことない問題の連発に動揺し、一転午後は簡単すぎて不安になる、といった有様でした。
帰宅後IPAの午前公式解答速報を見たところ、47/80で、あと1問足りず不合格です。非常にもったいないです。
掲示板情報など見ると、午前はやはりここ数年でもあまり見ない難化具合で、一方午後は特に文系問題がサービス問題連発、というパターンだったようです。
残念ですが、これが今の実力ということなのでしょう。最初にマークした際は合っていた回答を3つくらい見直しで直してしまっているのが悔やまれます。大体こういうのって直感が合ってるんですけど、こういう公開会場での試験はそれこそ3年半ぶりくらいですし、場慣れが必要ですね。う~ん、悔しいです。
以下は応用情報技術者試験の勉強方法や当日の流れなどについて記述します。
試験の概要
IPAこと情報処理推進機構が4月と10月に開催する国家資格です。合格証明書には経済産業省大臣の名前が書かれます。ということで、一応国家資格です。ですがもちろん業務独占資格ではありません。
ITエンジニアでも、たとえばWeb系はほとんど資格は意味を成しません。そもそも、Web開発そのものが技術のはやりすたりがすさまじく、そんな資格を取る暇があったら自分でポートフォリオを作ってGitHubで公開する方が10000倍マシです。
SIerとかだとこのIPAの資格試験を取得することが昇格の条件になっていることが多く、それはSIerのビジネスが、「○○という資格持ち何人をおいくら万円/月」みたいな売り方をすることがあるからなんですね。SIerもピンキリあって、殿上人だと船を漕ぐ(自分でコードを書く)のではなく船頭(数億円~数百億円のプロジェクトのマネジメント)が仕事ですから、そういう意味でも応用情報技術者試験を取ってプロマネに進むのが常道のようです。
試験は午前150分、午後150分の合計5時間。どちらも60%以上で合格です。午前が60%超えていないと、午後は採点すらされません。
社畜の貴重な日曜日を5時間も潰されるというね。なのでサクッと受かりましょう。
ちなみに今回は2回目の受験でした。前の記事にも書きましたが、前回の受験は令和元年秋(2019年秋)に受験し、午前が70点前半で午後が50点後半で不合格でした。
午前試験
午前試験は4択問題が80問です。ストラテジーやマネジメントやテクノロジーやまんべんなく出題されます、が。
この午前試験、非常に分かりやすい攻略方法があります。
こちらのサイトでも紹介されている通り、IPAの試験を作っているのはお役人、もしくはそれに近しい団体や下請けです。
こういう方々は、「前例踏襲」というのを金科玉条としています。下手にトレンドを盛り込んで攻めの姿勢、とかやるよりも、既に世に出たものをそのまま出す方が良いのですね。日商簿記2級がわけわからんくらい難化して毎年のように炎上している、日本商工会議所とは違います。
なので、午前試験に限っていうと、なんと「これまで出た問題が、問題文はおろか選択肢も並び順ごとそのままそっくり」出る問題が割とあります。肌感覚では2~3割くらいでしょうか。
ということで、応用情報技術者試験ドットコムというサイトの過去10年分、800問くらいをただひたすらぐるぐるぐるぐるぐるぐるやり続けるだけで、合格ラインに達します。
変な話、その問題が理解できていなくても、「あ、この問題文は計算方法よく分からんけど、2だな」で正解、ということもあります。変な話ですね。
正直なところ、午前は足切りです。国公立大学入試におけるセンター試験・共通テストのようなものです。
……もっとも、今回は舐めプのせいか、その足切りに引っかかって落ちてしまった、という感じになります。油断大敵、ですね。出題傾向がガラッと変わった、というのも敗因かもしれません。
午後試験
ということで応用情報の本題は午後問題になります。
セキュリティが必答で、残り4問を選択します。この選択が合格・不合格を分けます。
一通り問題を解くことでおそらく自分の適性が分かるでしょう。
よく「2週間で受かる~」とかで紹介されている、いわゆる「すべて文系問題から選ぶ」のは、あまりおすすめではありません。というのも、文系問題はかなり運に左右されるからです。
点数を安定させたいのなら、出題パターンが決まっているテクノロジ系から選ぶのが吉かと思います。その代わり、勉強時間はそこそこかかります。
以下、私の感想。
問1: 情報セキュリティ→◎(必答)
流行りというのがあり、2023年ならランサムウェアとか標的型攻撃とか情報漏洩とかでしょうか。IPAの「情報セキュリティ10大脅威」というのが毎年更新されているので、これを試験に前に見ておくのが重要です。
問2: 経営戦略→△(予備)
いわゆる文系問題。情報技術者というよりは、商学部のテストみたいな感じです。範囲が膨大なので、簡単な年はびっくりするくらい簡単ですし、難しい年は「はぁ?」みたいなレベルでできません。日商簿記2級あたり持ってるととても有利です。点数が安定しないので、予備です。
問3: プログラミング→×(捨て)
5年ほどPythonやらRailsやらJSやら書いてますが、アルゴリズムがろくにできないので捨てです。
問4: システムアーキテクチャ→○(回答)
システム構成で、物理サーバを仮想サーバにリプレイスするとかそんな内容ばかりです。実業務でやっているので採用。
問5: ネットワーク→○(回答)
これも実業務でやっているので採用です。問1の情報セキュリティと被る範囲が多いので、お買い得ではあります。
問6: データベース→△(予備)
ER図とSQLばっかり出て出題がワンパターンなんですけど、まぁ最近はあんまりいじってないし予備でいいかな……という感想です。
問7: 組込みシステム開発→×(捨て)
インターネットでは簡単という意見ばかりですが、どこが!?と思います。あまり文系をなめないほうがいい(?)。数年分やりましたが、そんなの参考書のどこにもねーんだけど、みたいなのがちらほら出てくるので、捨てです。
問8: 情報システム開発→×(捨て)
SIerの上流向けの問題で、馴染みがないですし何よりつまらない(!?)ので捨てです。ごめんね。
問9: プロジェクトマネジメント→×(捨て)
これも上流とかPM向けの文系問題で、興味がほとんどないので捨てです。
問10: サービスマネジメント→○(回答)
サービスデスクの運用とか問題点とかのいわゆる文系問題ですが、こちらも業務でやっていることが多く、採用です。例えば全社的にOSのアップデートが展開されるときの注意点とか、夜間バッチでサービスが止まるんだけどどうしますか、みたいなやつ。
問11: システム監査→○(回答)
文系問題かつ社会人しぐさが分かっていると答えやすいです。他人のあら捜しが得意な人にとってはものすごく簡単だと思います。こちらも業務で内部監査をやっているので、採用。
今回の試験では、「経営戦略」「ネットワーク」「サービスマネジメント」「システム監査」を選択しました。回答順は「システム監査」→「サービスマネジメント」→「セキュリティ」→「システムアーキテクチャ」回答中に自信がなくなり、「経営戦略」に転進→「ネットワーク」の順番でした。
参考書
さまざまなサイトの情報を見た結果、私は下記に落ち着きました。
午前は『応用情報技術者 合格教本』(技術評論社)、午後は『午後問題の重点対策(通称・緑本)』(ITEC)の2冊。
及び、毎度おなじみ『応用情報技術者ドットコム』でお勉強です。
勉強時間
こちらも様々なサイトで書いてある通り、「バックグラウンドによる」としか言いようがありません。
例えば基本情報にも受かっていない、非IT系の方や非情報系の学生さんとかだったら、普段この応用情報の範囲内のことをやる機会はほとんどないでしょうから、基本情報レベルに100時間、応用情報はさらに200時間の合計300時間、というのは分かります。
ただ、我々のようにIT系で日々の糧を得ている、平日はもちろん休日も嬉々としてPCいじって「VPNたのしいお!」とか「自分のWin10にUbuntu入れてanyenv入れたお!」とかやってる人間は、普段からこの試験の範囲のことをやっている、ということなんですよね。
とはいえ、直前の2週間の追い込みが大事かもしれません。完全に言い訳なのですが、試験数日前にとあるアクシデントが発生して全く勉強できない日が続いてしまい(今も緊張状態にあります)、それも原因の一つかもしれません。とほほ。
2023/7/6追記:案の定、自己採点通り午前があと1問、つまり58.75/100点で落ちていました。ざんねん。記憶が残っているうちに受験して、早くこんな不毛な試験はパスしてしまいたいところです。別にこの資格を持っているからって会社での待遇が良くなるわけでもありませんし、自己研鑽と自己満足くらいしか意味がありませんから。
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