長崎旅行5日目です。この日がこの旅行の主目的、野崎島に向かう日です。
↑旧野首教会。これを見るために、3年間ずっと待ち望んでいました。
0545に起床。野崎島に渡るには、朝の7時の町営船に乗って、15時に帰ってくる、というルートしかありません。博多在住なら、金曜夜フェリー→土曜早朝小値賀島→野崎島→午後フェリーで翌朝博多、というムーブができますが、関東から行くと少なくとも1泊はする必要があります。
食うものも食わず、身支度をして歩いて宿から小値賀港ターミナルへ。早く着きすぎたか、手持ち無沙汰です。
昨日の小値賀島一周で、フェリーターミナルはフェリー太古で早朝に着いた人のために島のパン屋が商品を置いており、これを当てにしていたが商品無し。
仕方がないので、カルビーの筒状のポテチとあたり前田のクラッカーをお昼の代わりに購入します。
町営船は私以外に若い女性が二人、どちらも関西から旅行で来たらしく、「関西弁女子だ~」となりました。人生で関東地方から出たことがないので、あらゆる他の方言が新鮮に聞こえます。船は数十人が乗れるものでした。
野崎島に上陸。観光のためにそこそこ整備されているのはビジターセンターで、それ以外の旧野崎集落の建物は、朽ちるに任せて、といったありさまでした。
↑旧野崎集落。こちらは神道・仏教を信仰していた、古来からの集落です。完全に滅んでいました。
案内所の職員による野崎島の案内の後、神官屋敷の案内解説をされます。ここで解散。
案内後、荷物を担いで歩いて旧野首教会へ。念願が叶い、はぁ、と詠嘆します。
そもそも、この長崎旅行の主目的がこの旧野首教会を見るためだったのでした。
思い起こせば2020年の前半、世界でステイホームが絶叫され、おうち時間でニューノーマール・新しい日常という名のもと、ろくに外にも出られず誰とも会えず、悶々としてYouTubeを見ていた頃、このMusicVideoを見たのでした。
調べたところ、長崎の五島列島にある島だ、ということでした。おそらく今年(2020年)は行けそうにないが、いつか必ず、と心に決めていました。結局、その日から約3年間が経過し、世界も身の回りも大きく変化しました。人生何があるか分かりませんね。
などとエモーショナルな気持ちになりながら、島の西側に。旧野首教会を過ぎると、この島は無人島と思っていたのに、なんとバリバリと工事してて作業員の方がいるではありませんか!そう言えば、ビジターセンターで「電線の無電線化をしている」という話をしていました。
その先にある野崎ダムを見学します。これ、案内地図にも記載があったけど、無人島なのにダムなんて何のための?と思っていました。
ダムの看板を見てびっくり、なんと昨日今日と滞在している小値賀島の水瓶はここだったのです!説明を読んで驚き。
小値賀島は他の五島列島の島と比べて平地に恵まれている一方、高い山も川もなく常に渇水に悩まされているところでした。渇水は先日訪れた、中通島の奈良尾集落も同じようでしたけど。
そのため、島の隣にあり、なぜか小値賀島より年間降水量が多い、無人化した野崎島に取水パイプを張り巡らせて、ダムを建設。ここで貯めた水を改定にパイプを這わせて、小値賀島まで持ってくる、というものでした。スケールが違います。
やれ八木沢だ奈良俣だ八ッ場だと、「関東平野の水がめ」ことダム銀座のグンマーに住んでいる身としては、何もかもが新鮮です。
思いもがけずダムに感心し、旧野首集落のキリスト教墓地を遠くから拝んで、ビジターセンターに戻ります。
↑野首港。透明度が高い!案内員の方が学生の頃大阪に住んでいて、「海に連れて行ってやるよ」と大阪の人に連れられ、堺あたりの海に行ったときに「なんやこれ…」と落胆したようです。でも、それはこの透明度を見ると分かりますね。
船は3時ですが、戻ってきたのは1時前。やることがありません。ということで、飲食禁止のビジターセンターではなく、喫煙所となっている小屋でお昼のかわりにカルビーのポテチとあたり前田のクラッカーをむさぼり食います。ここで昼寝をしてもまだ時間が余ります。
↑火口跡
そのため、ビジターセンター北の火口跡や「サバンナ」と呼ばれるエリアで鹿を追って遊びます。野生のニホンジカで、かつて野崎島に人が住んでいたころは畑を荒らす害獣でしたが、今では無人島化しており、集落への侵入を防ぐ鉄製のフェンスも潮風で根元から錆びてしまい、自然に戻ろうとしています。
ニホンジカは警戒心が強いので、近づくと自然と逃げていきます。それでも、関東で普通に生活していたらまずありえないくらいシカがたくさんいて、なごみました。
ビジターセンターに戻ると、職員さんが島の方からもらったメロンを分けてくださいました。みずみずしくて、美味でした。
その後町営船で島に戻り、やることもねーなーと笛吹集落をフラフラしていたら、ちょうどカフェーがやっていたので入りました。
できたてっぽくて、価格設定が安すぎませんか?と心の中で言ってしまいました。これで確か670円です。
あとはそのまま宿に戻り、入浴です。
で……これまたあまり期待していなかったのが良い方に裏切られたのが、この日の夕食です。昨日の居酒屋さんが味が濃かったので今日もかなと思っていたのですが、非常に美味でした!「これこれ!こういうやつがほしかったのよ!」というものでした。
別に「新鮮な海の幸」を大量とか、内陸県生まれ育ちは求めてなくて、それよりも色々なものがちまちまと食えてご飯が進むのがありがたいのです。この日ばかりはさすがにご飯を何度もお替りしてしまいました。
すっかり満足して、自室に戻ってテレビを見ながらメモ書きをします。また、夕食ついでに本棚から本を3冊ほど借りてきて、読んでいるうちに寝落ちして旅行最後の夜は更けていきました。
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