要約
- 第一種奨学金の残額約70万円を一括で返済する
- 第一種奨学金(人的補償)で繰り上げ返済する経済的なメリットは全くない
- それでも繰上したのはスッキリしたかったから
奨学金を繰上返済
日本学生支援機構(旧日本育英会)で大学院時代に借りていた、第一種奨学金の残額約70万円を、来月末に一括でする旨を申請してきました。
私の貸与状況は以下の通りです。
- 2016年4月~2018年3月の2年間、某国立大の人文系修士課程在籍
- 第一種奨学金(人的保証)
- 借りた金額は月5万円×24か月=120万円
- 現在は都内中小企業勤務のプログラマー
奨学金の概要
2016年当時は給付型はありませんでしたから、選択肢は貸与のみで第一種と第二種がありました。
学部は第一種のハードルは高かったようですが、修士だと親の収入は加味されないようで、普通に第一種奨学金を借りることができました。また、機関保証ではなく人的保証(連帯保証人が父で保証人が伯父)でしたので、保証機関に支払う費用もありませんでした。
第一種は利子なし、第二種は利子あり。人的保証は連帯保証人と保証人を立てることで費用なし、機関保証は保証人を立てられない場合追加費用を払うことで、返済不能の際に機関に弁済してもらう、という仕組みです。
繰上返済する予定はなかった
まず、平成16年度(2004年度)までの第一種奨学金貸与者は、繰上返済をすることで報奨金として貸与額の数パーセントを受け取れるという、「えっそれズルくない?」みたいな仕組みがありました。2016年度入学の私には全く関係ありません。
また、修士の場合「各大学の成績上位30%」の第一種貸与者は、返済が全額or半額免除になります。私は成績はともかく、「中学・高校の教員を養成する総本山みたいなところで仁義に反してプログラマーなどになってしまった」ため、そもそもが対象外でした。
また、第二種奨学金は利子がありますから、早めに返済することで月々の利子分を払わずに済みます。機関保証なら早めに返済することで、機関に払う保証料を減らすことができ、どちらもメリットがあります。
つまり、経済的なメリットはこんな形になります。
- 第一種&人的保証→なし
- 第一種&機関保証→あり(機関保証費用)
- 第二種&人的保証→あり(利子)
- 第二種&機関保証→あり(利子+機関保証費用)
で、ちょうど2年前の記事でも書いている通り、繰上返済する予定はずっとありませんでした。記事ではこんなことを書いてますね。
「社会的信用が全くない学生に、無利子で金を貸してくれる。しかも死んだり高度障害になったら返済免除になる上に、生活困窮時には支払猶予までしてくれるオプションが無料でついてくる」
確かに、最低限度の金額をちまちまと返し続けて、その分借りている金額をオルカンあたりで運用しておけば、実質的に無利子で金を借りて、控えめに見積もっても税引き後年間3%前後のリターンです。
それでも繰上返済した理由
ただし、人は経済的な利得に生きるにあらず、です。
私は家計簿とバランスシートで家計管理をしており、毎月毎月家計簿には「27日に8,333円銀行口座から引き落とし」と書いていました。また、バランスシートの負債には「奨学金」の三文字がどっしりと構えていました。就職した24歳からの144回払い、返し終わるころには36歳です。まだ折り返しポイントにも至っていませんでした。
で、経済的な利得だけ見ればちまちま返すのがよかったのですが、就職してから予想を上回るペースで蓄財が進んでいること(※)、また、ボーナスが予想以上に頂けていることから、生活防衛資金(半年~1年間は生活できるだけの資金)を確保してもなお、返済できる余裕資金があると判断し、今回の決断に至りました。
(※):これはここ3年間で出費の機会が少なかったこともありますし、私の資産運用主力の米国株が思ったより伸びていることもあります
とまあ、色々書いてきましたけど、要約に書いた通り「スッキリ」したかったから、なんですね。やっぱり気にしないようにしても、「奨学金としてまだ○十万円借りている」というのが、頭の片隅に残っていました。
また、一時期体調を崩したことがあり、仮にその時に長期間会社を休業したとしたら、収入は大きく減る一方、奨学金は引き続きちまちま取られて預金残高が減るので、精神衛生上さらにダメージを受けて、体調が悪化しそうだな、というのは思っていました。
一括返済してすべてまっさらにすれば、そういった煩いから解放されます。あと数年この「煩い」が続くのであれば、一括返済してスッキリするのは、約70万円を一括返済せずオルカンで運用した場合に得られたであろうリターンを鑑みても、大きな効用であると言えましょう。
世の人々がブランド品や最新型のスマホを買い求め、様々な浪費をするのに対して、私は浪費に関心がありませんから、こういう形で浪費をしようかな、と思いました。
ちなみに、国民年金保険料の学生納付特例制度とは違って、特に控除の対象にはなりません。
繰上返済しない方がいい場合
「生活防衛資金」が確保できていない場合。人によってリスク許容度は違いますが、半年無収入でもやっていけるだけの貯金を貯めてから、繰り上げ返済について考え始めるのが良いと思います。
この先大きい出費があることが確実な人。結婚・妊娠出産・住宅ローン・美容整形手術などなど、数百万単位で金が飛んでいくのが確実な人は、よく考えた方がよいでしょう。無利子の第一種奨学金を繰上返済して、手持ち資金が無くなって年利3~5%とかで金融機関から借りてたら全く意味がありません。
繰上返済のやり方
ググれば出てきます。
「スカラネットパーソナル」にログインして、そこから繰上の申請を行います。作業自体はとても簡単で、10分もあれば終わります。必要な情報は
- 奨学生番号
- スカラネットパーソナルのIDとパスワード
- リレー口座情報(銀行名・支店番号・口座番号)
申請が完了すると、申請日の次の27日に全額がリレー口座から引き落とされます。口座の残高に注意!
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