「ダイエットについて(その2)」の続きです。この記事でひとまず終わりです。
具体的な手法について、そして具体的手法以上に大切なコツについて書いていきます。
前回の復習です。
2019年、2020年後半で心掛けたのは以下のことです。
- 揚げ物は避ける。
- スナック菓子を買わない。家にストックしない。
- アルコールはできるだけ避ける。家にストックしない。
- タバコは吸わない(習慣がないからね)
- エレベータではなく、階段を使う。
- 炭水化物ダイエットのような、特定の栄養素を過剰にカットするやり方はしない。
- よく噛む
スーパーの揚げ物は天敵
まず、揚げ物ですが、これは健康診断でコレステロールが云々、というのを言われ続けた反発もありますが、普通に考えて揚げ物で痩せるわけありませんよね。
ということで減らしたらスイスイ減りました。2020年後半はこれがかなり効果的でした。
2020年前半は、ステイホームということもあり、1ヶ月ずっと家にいる、なんて生活で気が塞ぎがちでした。
そのせいか、昼休みにあてもなく近所を徘徊したり、終業後に歩いて隣町のスーパーに行ってお惣菜を買うのが唯一の楽しみ、みたいなところがありました。
で、そういうところの夕方のお惣菜で安くなっているものといったら、だいたいチキンカツとかトンカツとか唐揚げとかそういう類なんですよね。
揚げ物というのは美味しいですし、それ一品で強力なおかずになりますから、それを買って、ご飯炊いて何か副菜つけて味噌汁作ったら夕飯の出来上がりです。
唐揚げ弁当とか買ってきたら米を炊く必要すらなくなってもっと楽なわけです。
さらに、これまた近所にできた松のやという、トンカツを主力とする定食屋に足繁く通うようなり、週3〜4でトンカツを食っていました。これじゃあ痩せませんね。
自宅で揚げ物を揚げることは(一人暮らしということもありますし)滅多にないのですが、そういう家庭の揚げ物ってサラダ油やオリーブオイルなどの植物性油脂がほとんどだと思います。
ところが、こういうおいしい揚げ物って、ラードとか動物性油脂で揚げてます。
それに、スーパーにもよりますが、あまり良くない油を使っているような気がします。
それで、腹にこびりつきやすい、という感じになっていくのでしょう。
これに気づいて、2020年後半は揚げ物を極力絶つようにしました。
そうしたら、特に運動量を増やしていないのに、するすると体重が減っていきました。面白いですね。
スナック菓子はストックすな
次はスナック菓子です。
私は他人からは「意思の人」「よく考えているしっかり者」「実直」というありがたいお声をいただくことがしばしばあるのですが、自己評価としては非常に自分に甘い、弱い存在です(なのにそれを自己攻撃する癖が強い)。
で、私が世界で好きな食い物トップ100の中に、確実に「ピザポテト」「ア・ラ・ポテト じゃがバター味」(秋の味覚で最大のもの)「セブンのサワークリーム味ポテチ」があります。
そして、私は弱い存在なので、家にストックがあったらあるだけ食べてしまいます。
ところが、みなさんご存知の通り、スナック菓子というのはカロリーはそこまででもありませんが、凄まじい依存性と塩分と脂質を有しています。特にこの「依存性」が危険なのです。
「依存性」という最大の敵
依存性はダイエットに限らず、あなたの人生を破壊し尽くす資本主義の権化です。
スナック菓子、ファストフード、アルコール、タバコ、ギャンブル、インターネット、スマホ。
マクドナルドをはじめとするファストフードが世界を支配したのは、莫大な資金と人材を注ぎ込んで、「また食べたくする」仕組みを築き上げたところです。
それと同じことをスナック菓子メーカーがやらないわけありませんよね。
ストックさせて、気がついたら口に運んでいる。カウチポテトがメーカーの理想形です。
依存性と戦うには、そもそも生活スペースに置かないことが必要不可欠です。
繰り返しになりますが、あればあっただけ食べてしまう、というのが私の短い人生ですでにわかっています。
安いからと言って何袋もまとめ買いして、あるだけ食べてしまうくらいなら、コンビニで割高でも一袋だけ買う方が、その腹肉を落とすためにフィットネスに何万円も払うよりずっとマシ、なのですが、そういった合理的思考に至らせないのがメーカーの戦略なわけです。
アルコールも同様で、あれ、ちゃんと計算すると、思ったよりカロリーになっています。穀物から作るから当然なのですが…
アルコールもあればあるだけ飲んでしまいますから、酒をやめるには、まず家にあるストックを全て捨てるところから始めましょう。
そして、レジに入る前にチェックするというのも重要です。
ほんとにね、酒をやめた後って自分でも気付かないうちに、無意識的ルーティンワーク的に、酒をカゴに入れてるんですよね。
ですから、レジに並ぶ前に「スナック菓子なし!酒なし!」ってチェックするくらいはやった方が良いでしょう。こういうところは精神論より仕組みが効きます。
タバコについては吸ってませんし予定もないので割愛します。
階段は健康資源
エレベータではなく、階段を使うというのは、これまたとあるブログの影響です。
そのブログの要旨としては、「月1万円近くジムに金払うくらいなら、階段とか公園の懸垂とかジョギングコースとか、無料で使える資源を使う方が良くないすか?」という感じで、確かになるほど、と思いました。
その日から、出勤時は上りはエレベータを使わず、階段で登ることにしました。
低層階なので、そこまでの恩恵は得られませんでしたが、心掛け的なものでしょう。
欠乏がダイエットの最大の敵
さて、最も重要なのは、実は運動ではなく、食事だと思います。
これまでの記述と矛盾しますが、どれだけ運動して、特定の食べ物を絶ったところで、この原則が最優先すると思います。
それは、「特定の栄養を避けることなく、よく噛んで食べる」というところです。
これまた精神論的な話になってしまうのですが、ダイエットの最大の敵は充足感が得られないところにあります。
我慢して我慢して我慢して、耐え難きを耐え忍び難きを忍んだ結果、先の大戦に敗れたように、我慢というのは心身ともによろしくありません。
例えば炭水化物ダイエットのように、炭水化物だけを抜いたりというのは、出だしは良いものの必ず「欠乏」を感じるタイミングがやってきます。
この欠乏というのが、ダイエットの難敵です。
欠乏を無くす、正確には徐々に薄めていく、というのが最適のアプローチなのですが、これは誰にもできることではありません。
この欠乏というのは「欲求」の言い換えですから。
つまり、「欲をなくす」という方向に向かっていく、ということになります。
お坊さんを狙っていくのならこのアプローチも悪くはありませんが、いきなりやるのは難しいです。
欠乏=欲求をいきなりゼロにしようとするから、我慢が生まれ、結果としてどこかのタイミングでその溜まり切った我慢が爆発します。
その結果がダイエットの失敗、あるいはリバウンドです。
ですから、例えばスタバのキャラメルフラペチーノを生きがいにしているような人が、ダイエットを成功させるまでそれを絶つ、というのは英雄的に思えますが、まあ失敗するパターンです。
キャラメルフラペチーノのカロリーはグランデですら421kcal、実はポテチ1袋よりちょっと多いという程度です。
トールなら302kcal。こんなもの(と言っては失礼ですが)を絶ったところでたかが知れています。
ですから、「キャラメルフラペチーノを絶つ」のではなく、「キャラメルフラペチーノを飲んでもいいから、その分他を減らす」というアプローチにしてはいかがでしょう?ということです。
好きなものを制限する、というのは、思った以上に精神に負荷をかけます。
ダイエットそのものが我慢をもたらすものなので尚更です。
繰り返しになりますが、その我慢を我慢と感じなくなるように薄れさせていく、というのが本来最適のアプローチです。
なのですが、難しいでしょうから、我慢しなくていい、その代わりに優先順位をつけて、例えば「なんとなく帰り道に買っていたコンビニスイーツは買うのを控えて、その代わりに大好きなキャラメルフラペチーノは週1回ご褒美に飲んでいいことにする!」くらいの心持ちで、長期的にやっていく方が成功率は上がるのでは?と思います。
そのためには、何が優先かということを吟味する取捨選択が不可欠です。
この取捨選択の過程で、実はとりあえずとかなんとなく買っていたもの、食べていたものの存在に気づくかもしれません。
これが、実は本当の「断捨離」だったりします。断捨離とは、ものを捨てまくるということではなく、心の整理という意味なのかも知れません。
まとめ
繰り返しになりますが、「インよりアウトが上回れば痩せますよ」という原則が全てであります。
ですが、その原則を支えるのは欠乏=欲求を薄れさせていく、という根本的な精神論の話です。
その心持ちを支えるためにさまざまな方法論が存在します。
揚げ物を控える、運動の習慣をつける、といった方法論は、この原則と心持ちの前には瑣末な問題ですし、人によって違います。
ところが、世にはびこるダイエットのやり方というのは、どうしても方法論に終始しがちです。
根本のところに触れてしまうと、いろいろなものが売れなくなってしまいますから仕方がありませんから。
「欲を薄れさせる」なんて、資本主義に生卵を投げつける行為そのものですから、絶対にテレビでやるはずがありません。
さて、テレビでみのもんたが納豆は痩せるバナナは痩せると喧伝した翌日にはスーパーから消えているこの世界で、あなたはどうしますか?
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